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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页

青空文庫

郵便局長だの、学校の先生だの、近頃では金廻りのよい百姓だのと、あの人の相手を探せば数えきれやしませんよ。あの人はそのミイリで尺祭り以上の百円札の札束を抱いて寝ているということですよ。心にまことの情愛がないから、お金だけが、親身の友達というのでしょうね。いやらしい人」

私は道で神山東洋に会わなければ、すんでにノビるところであった。

神山は五尺八寸余の大男だから、軽々と南雲老人を背負って、お由良婆さまと肩をならべて歩きだした。

諸井琴路。この謎の女が、この事件の片隅に、必ず謎の役割を果しているということを、痛烈に考えざるを得なかった。

強慾無道の彼女の心をあやつる者は、誰であろうか。

私はさっそく、七月十八日夕方、千草さんの殺された日の彼女のアリバイをしらべてみた。するとアッサリ失敗した。

あの日、千草さんが裏門からでかける姿を最後に見た人が諸井であった。そして諸井看護婦は、その六時から七時まで、多門老人のマッサージをやっていた。その後も外出はしていなかった。

十八 七人目

八月三日であった。

私はちかごろ昼のうちは鉱泉宿へでかけて、仕事をすることにしていた。