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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页

青空文庫

相当の曲者ですよ」

丹後は黙して答えなかった。

「さて、宇津木殺しの可能の方は、ただ今の丹後さん、それから、鉱泉組の矢代先生とあやか夫人、この御両名は、例の間道を行って案外の短時間に宇津木さんを殺してくる可能性も、なきにしもあらず、ですな。次に三宅さん。三宅さんが三日の始発に乗ったという確証は目下のところないようです。乗ったにしても、N町から、様子を変えて戻ってきて、兇行を犯して、又、もどる。そして夕方五時に何食わぬ顔、バスに乗って帰ってくる。それも不可能ではないようですな。それから、最後に、海老塚先生、以上のオン五ツ方は、この事件の容疑者をまぬがれることができません」

神山はニヤニヤしながら、フトコロから手帳をだした。

「実は、オセッカイのようですが、私はかねて、ちゃんと控えをとっておきましたから、ただ今申上げた四ツの事件の容疑者を、もう一度、改めて、ならべてみましょう。

千草殺し 土居画伯。内海先生。一馬先生。矢代先生。三宅先生。丹後先生。但し諸井嬢の偽証の場合可能也。

内海殺し 丹後先生。人見御夫妻。神山夫妻。宇津木先生。三宅先生。矢代御夫妻。