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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页

青空文庫

巨勢博士は答えない。すると丹後が、

「神山君は、四ツの事件の共通の容疑者をあげて、矢代と三宅だけが全部の犯罪に共通しており、最も主要な犯罪と見られる歌川家の財産関係の犯罪の容疑者たるべき人物が、姿を現していないと云ったね。然し、君、共犯者ということがあるよ。単独では共通していなくとも、二人乃至数人で、共通している場合が有りうるじゃないか。だいたい、半月あまりの短時日に七人もの人間がバタバタ殺され、それが警官の警戒厳重のさなかなのだからな。共犯者なしに、出来ることじゃアないね」

「ごもっともです」

と神山はうなずいた。

「然しですな。歌川家の問題として、たとえば一馬さん御夫妻ですな、このお二人が共犯としましても、内海殺しの場合には、御二方とも決定的に不可能だというヌキサシならぬ事実があるのですな。このお二方に、さらにほかの共犯者が、どこやらにおりますか」

すると一馬がいささかフン然たる面持で言った。

「まったく、僕が、第一級の容疑者であることは、認めますよ。事態が、そうなっているのだから、仕方がないね。僕は然し、ケンギだの、容疑者だのと、そんなことは、身に覚えのないことだから、全然気にかけていませんよ。