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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页

青空文庫

意識不明のさなかにも意志力が働いているそうで、ウワ言らしいものも殆どもらさぬそうですな」

この事件は、やっぱり、まだ、終らぬのだろうか。私は一馬の顔を見たが、彼もどうやら、再び不安になりだしているらしい。

今日は多門老、加代子さんの二七日であったが、明日は例の如く問題のお梶様の一周忌であるから、例年ならば盛大な法要がある筈であったが、この連続の殺人事件であり、問題の当日でもあるから、来会者の方も気持が悪いにきまっているし、間違いも起き易い。そこで、法要は来年まわしということになった。坊さんの読経があるだけである。

神山がカングリ警部に向って、

「そうですなア。まったく、あの看護婦は、大犯罪者的でしたなア。第一、目が、ちょッと、こう、三白眼で、ジッと見つめられると、凄味がありましたよ。ところで、事件は、実際、八月九日に起るものですか」

「それがハッキリ分ってくれれば、こっちはシメタものですが、何がさて、我々は、海老塚先生のような神通力や心眼がありませんので、残念です。神山さんは、甚だメンミツに捜査に当っておられるそうですが、あなたの心眼では、いかがです。