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ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页
それでは、皆さんの芸術的神通力を拝借いたす意味で、ひとつ打ちあけて申上げますが、第一回目の事件、望月王仁さんの事件に、屍体の寝台の下に、あやか夫人の部屋靴の鈴が一つ、ころがっていたのですよ。これは、皆さんの神通力で、どういうことになりますか」
「いや、それだ。まさしく、君、警部、それですよ。そうこなければならぬ。すべては、明白じゃないか」
ピカ一は、目をかがやかせて、叫んだ。
あやかさんは、恐怖に沈んで、大きく目をあけて、警部を見つめた。
「私は、当家へとついで以来、望月さんのいらした部屋へは、まだ一度も、はいったことがございません」
「ウム。さすがに、このキツネも、見上げた奴さ」
ピカ一は思わず唸った。
「弁解の文句も、ここまで、くりゃア、人を驚かしやがるよ。当家へとついで以来、足をふみ入れたことがありません、とは、ほざきやがるよ。トルコやインドのハーレムじゃあるまいし、十人も泊りゃ一ぱいの、たった二棟のウチじゃアないか。成上り者は広大な天下を知らないから、とんでもないことを言いやがる。こんなチッポケなウチはハーレムじゃ料理人のヒルネ部屋だい。気のきいた蚊は、一晩のうちに、一々の部屋で血を吸って歩かアね。