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ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页
もしアイビキのためとすれば、相手の方はどなたですか。この席でなくとも、よろしいのです。どなたか、我々に助言をよせていただければ幸いです」
「そりゃア、まア、そんなものだろう。あの人が、ムダに山や森を歩きやしないさ。然しそれは何も失礼なことじゃない。警部君は、人間性というものの崇高なる実相を認識されておらんのだね。宇津木さんは、淑徳も高く、又、愛慾もいと深き、まことに愛すべく尊敬すべき御婦人でしたよ。あのような多情多恨なる麗人を殺すとは、まことに憎むべき犯人だ。ああいう御婦人は、然し、アイビキの当人には殺される筈がありませんよ。なぜなら、時間がちょッとたつうちに、必ず、次の男にお移り遊ばす性質で、こいつ執念深い、うるさくつきまとう奴だ、悪女の深情け、そういうところもチョットあるけれど、うわべだけです。実際は、邪魔な女じゃないからな」
「アッハッハ」神山が、たまりかねて、ふきだした。
「土居画伯は、さすがなもんですなァ。御自分の心境ばかりを、もっぱら、述べていらっしゃる。然し、あなた、男が女を殺すのは、悪女の深情け、執念深い奴、そういう意味とばかりは限りませんや。