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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页

青空文庫

附記 愈々、今回をもって、皆さんの解答をいただく順となりました。

毎々申し述べました通り、皆さんの御存知ない事実から、巨勢博士が犯人を推定するということは、致しません。ただ、彼が旅行先から見つけてきた確証は皆さまの御存知ないものですが、然し、これは、皆様御存知の事実から博士が推定しましたことで、犯人の推定の根拠については、巨勢博士の知識の全てを皆様も亦、持たれているわけです。

さて答案ですが、犯人の名前だけ当てたって、ダメですよ。法廷へ持ちだして、起訴することができるだけの、推理がなければ、いけません。推理は、どんなに長くても構いませんが、出来うる限り、簡にして、要をつくして下さい。原稿紙でなくとも、よろしいです。レターペーパアでもかまいませんが、文字はハッキリした楷書で書いて下さるように、呉れ呉れもお願いします。

答案の宛先は、日本小説社、です。封筒に探偵小説解答、と書いておいて下さい。

今まで、附記で、さんざん、ダボラをふきとばして恐縮ですが、作者の意図するところは、皆さんに、知的な娯楽を提供し、クソ面白くもない世の中に、何日、何時間か、たのしい休養のゲームを贈り物し、一つ無邪気にシカメッ面のシワの洗濯をやりましょう、という微意にほかなりません。