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ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页
「いいえ、その前に、先ず我々が食事を終えて広間にいました。九時何分ごろでしたか、お由良婆さまが諸井看護婦と一しょにこられて、千草さんの行方が知れないと申されましたね。すると諸井看護婦が意外なことを言いだしました。千草さんはアイビキに行ったというのですね。なぜそれを知っているかとならば、千草さんが男からのアイビキの紙片を見せた、その紙片はあやか夫人が男にたのまれて千草さんに渡したもので、その紙片に書かれていた男の名前も読んだ、というのですね。その男は誰ですか、ときくと、それは申し上げられませんという返答でした。そして、それから……」
巨勢博士はそれまで云って、あとを神山にうながした。
「左様、私のメモはかなり正確に記入してある筈なんだが」
と、神山はメモをしらべたのちに、
「そのあと、すぐさま、先ず海老塚先生がだしぬけにバカヤローと叫んで引きあげて行きましたが、すると今度は土居画伯とあやか夫人の凄惨なる死闘が開始せられることとなりましたのです」
「その死闘の原因は?」
「それがハッキリしないので私のメモにもないのですが、要するに、たぶん、つまらぬキッカケで」