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ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页
酒に酔っては睡気を催し腕がにぶるというようなものかも知れぬ。
王仁ときては酔っても酔わなくても、女を口説きたて、酒をガブガブ浴びるが如くに呷りたてる。
突然光一が立ち上って胡蝶さんの前へ行った。いきなり手をつかんで、
「踊りましょう。胡蝶さん。かねがね舞台では拝顔の栄に浴して人知れず思いをこがしていたけど、あなたは麗顔麗姿というんだなア。シャルマント、デリカ、それにオルグイユーズというところがあってね、この悪徳が私は好きなんだ。いざ、踊りましょう」
胡蝶さんは静かに手をひっこめて、冷めたく、
「いやです」
王仁がゲタゲタ笑いだした。
「ピカ一、よろしい! アッハッハ。そのルイ王朝的三流娼婦を第一番に口説いたところに、お前の浅からざる素養がうかがわれる。お前も然しフランス仕込みにしちゃ、泰西の学に通じないな。娼婦というものは人前で口説いちゃダメなんだ。娼婦は淑女の如く見せたがるから、まったく、ヒガンだウヌボレさ。人前で口説くのは娼婦のイミテーションが最もよろしい。即ち、かくの如し」
彼は立って珠緒さんの手を引っぱりあげて踊りかけて、すぐ、だきかかえて、ソファーへドカンと腰を下して接吻した。