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ふれんぞくさつじんじけん
不連続殺人事件
「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页
我々が朝食を終ると、待っていた警官の一行が食堂へ現れた。カングリ警部は慇懃に一礼して、
「早朝からお耳を汚すのは不本意ですが、解剖の結果、意外な事実が現れましたので、ザックバランに申上げて、同時に皆様からも、御助言を仰ぎたく存じます。望月さんは短刀によって刺される前に、かなり多量の催眠薬を服用されておりました。然し我々の調べました所では望月さんの所持品からは催眠薬は現れませず、又、調査の結果、たぶん他の何人かによって飲ましめられたという事が、ほぼ明かとなっております」
「アア」秋子さんが小さな叫びをあげた。
「催眠薬は、もしや、ゲンノショウコの中に……」
「そうです。何か御心当りがありますか」
「昨日の朝、変にねむくて頭が重くて。変に思っていましたから。それに……」
「それに? なんでしょう?」秋子さんはチラと一座を見廻したが、
「珠緒さんも、ねむいとか、頭が重いとか、仰言っていらしたようですから。たぶん、珠緒さんもお飲みでしょうと、ふッと今、ただそんな風に頭に閃いただけですけど」
珠緒さんだけが、まだ食堂に現れていなかった。深酒のせいで吐き苦しんで、朝の食事は見るのも厭に相違なかった。