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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页

青空文庫

駐在の友一郎巡査を見張にのこして、現場へ去る。巨勢博士と一馬だけが一緒に行くことを許された。

四十五分ほど経て、巨勢博士が一人もどってきたから、

「珠緒さんが死んだ? え?」

「ええ、殺されています」

「毒殺か?」

「さア。また催眠薬でも飲まされてるのだか、それは分りませんけれど、電気のコードでクビをしめ殺されております」

「ああ」女の二三名が同時に溜息をもらした。胡蝶さん、あやかさん。秋子さんも。たぶん。

「自殺じゃないの、巨勢さん。覚悟の自殺」と千草さんがきいた。

「そうですね。一見絞殺と見えるような自殺が、あるものですね。然し珠緒さんの場合は、どうやら他殺は疑いの余地がないようです。酔っ払って熟睡してるところを、なんなく殺されたもののようです」

「何か犯人の手掛りは?」と私はさっそく訊いてみたが、

「何一つ手掛りはありませんよ。ただ、例によって物盗りの仕業じゃありません」

一座は深い沈黙に落ちた。

「どうも、変ね。じゃア、いったい」

千草さんが訝しそうに口走って、何か、考えこんでしまった。

附記 今から犯人を当てようたって無理ですよ。まだ次々と殺人事件が起ります。