轻松读懂日语经典作品
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
彼を待つもの「キング 第二十六巻第四号」1950(昭和25)年4月1日、はるかなる青春「キング 第二十六巻第五号」1950(昭和25)年5月1日、〔欠題〕「キング 第二十六巻第六号」1950(昭和25)年6月1日、兄の立場「キング 第二十六巻第七号」1950(昭和25)年7月1日、ある少女の役割「キング 第二十六巻第八号」1950(昭和25)年8月1日、父の孤独「キング 第二十六巻第九号」1950(昭和25)年9月1日、愛と死と生の戯れ「キング 第二十六巻第十号」1950(昭和25)年10月1日、運命に逆うもの「キング 第二十六巻第十一号」1950(昭和25)年11月1日、変転の外に「キング 第二十六巻第十二号」1950(昭和25)年12月1日、この日あるがために「キング 第二十七巻第一号」1951(昭和26)年1月1日、二つの未来図「キング 第二十七巻第二号」1951(昭和26)年2月1日、希望の羽ばたき「キング 第二十七巻第三号」1951(昭和26)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 138,262 字 · 276 页
十時頃という返事に、それなら、中央線に連絡する小諸発の汽車に間に合う計算だということがわかつた。
その時間に、彼は、小萩を乗せた自動車を駅で待ち受けるという寸法なのである。
不思議な興奮が、だんだん、彼を襲う様子は、時刻が迫るにつれてはつきりして来る。駅の前の通りを、無意味に往つたり来たりする自分のすがたを、まつたく自分では意にとめぬ風であつた。
降り列車の時刻は、もう数分を余しているにすぎぬ。ところが、待つている自動車はいつこうに現れない。いよいよ、列車がホームにはいつた。そして、僅かな停車の後、発車の汽笛が鳴つた。
彼は、近所の公衆電話へ駈け込んで、療養所を呼び出した。
迎えの自動車へ乗せようとする間際に、小萩が脳貧血を起して、そのまゝ、病室へ引き返さねばならなくなつたことを知つた。
「脳貧血ぐらいですむんですか、え、そいつは?」
と、彼は、呼吸をはずませて、受話器へどなりかけたが、なんの返事もなかつた。
彼は、昼頃まで懐古園のなかを歩きまわり、千曲川を見降ろす崖の上に立ち、うろ覚えのローレライを口吟み、たゞなんということなく、時間の過ぎるのを待つた。