轻松读懂日语经典作品
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
彼を待つもの「キング 第二十六巻第四号」1950(昭和25)年4月1日、はるかなる青春「キング 第二十六巻第五号」1950(昭和25)年5月1日、〔欠題〕「キング 第二十六巻第六号」1950(昭和25)年6月1日、兄の立場「キング 第二十六巻第七号」1950(昭和25)年7月1日、ある少女の役割「キング 第二十六巻第八号」1950(昭和25)年8月1日、父の孤独「キング 第二十六巻第九号」1950(昭和25)年9月1日、愛と死と生の戯れ「キング 第二十六巻第十号」1950(昭和25)年10月1日、運命に逆うもの「キング 第二十六巻第十一号」1950(昭和25)年11月1日、変転の外に「キング 第二十六巻第十二号」1950(昭和25)年12月1日、この日あるがために「キング 第二十七巻第一号」1951(昭和26)年1月1日、二つの未来図「キング 第二十七巻第二号」1951(昭和26)年2月1日、希望の羽ばたき「キング 第二十七巻第三号」1951(昭和26)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 138,262 字 · 276 页
学生時代にバイロンという渾名で通つたのは、かの英国ロマンチック詩人のよくある肖像にどこか似ていたうえに、その性格言動においても、むろん他愛のない比較ではあつたが、神経質で空想的で、なかなかのスタイリストで、いつも恋愛に悩み、独りで外濠の土手を歩いていた、というようなところから来ているのである。ところで、今日久々で会つたバイロンは、幹部候補生から砲兵中尉になり、高射砲隊の中隊長までやつていたというのに、やはり、神経質で空想的で、なかなかのスタイリストで、相変らず女性に関する話となると眼を輝かし、たゞ、以前といくらか違うところは、恋愛の苦悩をしみじみと語るかわりに、女心のさまざまを面白可笑しく話す、その話しぶりに、現実の風波をくゞつた、冷たい皮肉がちらちらと顔を出すことであつた。それだけは、たしかに、南条己未男の成長であつた。が、そうかと思うと、
「ところで、今、なにをしてるんだ?」
と訊ねると、
「無条件降伏と聞いて、おれは、すぐに考えた。もう祖国に未練はない。一刻も早く日本を離れ、世界放浪の旅に出よう、そう考えた。今もそう考えている。機会をねらつてるんだ。