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ひかりはかげを

光は影を

岸田 国士

彼を待つもの「キング 第二十六巻第四号」1950(昭和25)年4月1日、はるかなる青春「キング 第二十六巻第五号」1950(昭和25)年5月1日、〔欠題〕「キング 第二十六巻第六号」1950(昭和25)年6月1日、兄の立場「キング 第二十六巻第七号」1950(昭和25)年7月1日、ある少女の役割「キング 第二十六巻第八号」1950(昭和25)年8月1日、父の孤独「キング 第二十六巻第九号」1950(昭和25)年9月1日、愛と死と生の戯れ「キング 第二十六巻第十号」1950(昭和25)年10月1日、運命に逆うもの「キング 第二十六巻第十一号」1950(昭和25)年11月1日、変転の外に「キング 第二十六巻第十二号」1950(昭和25)年12月1日、この日あるがために「キング 第二十七巻第一号」1951(昭和26)年1月1日、二つの未来図「キング 第二十七巻第二号」1951(昭和26)年2月1日、希望の羽ばたき「キング 第二十七巻第三号」1951(昭和26)年3月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 138,262 字 · 276 页

青空文庫

それより、僕の考えじや、直接、師事したいと思うひとに、ぶつかつてみたらと思うんだ。君はいつたい、文学つていつたつて、どういう方面へ進みたいの?」

「小説を書いてみたいんです」

「もう、そういうもの、書いてるの?」

「えゝ、どうせつまらないもんですけど……」

「じや、そいつを、誰かにみせたらいゝじやないの。君が尊敬してる作家はだれ?」

「若い方では、水島祥一先生……」

「知らないな」

「もうすこしふるい方では、雲井秋生先生なんか……」

「雲井秋生か。ふむ……名前は聞いてるが、そんなにいゝの?」

と、念をおしたのは、ふと、妹の多津と結びついている名前だつたからである。

「女流では? 誰かいない?」

「わたし、先生につくなら、男の先生にしたいと思いますの」

「へえ、それはまた、なぜ?」

「言えませんわ、その理由は……。わたし、せんから、そうきめていますの」

そこへ、ちようど、妹の多津が茶をいれてあがつて来た。簡単に紹介をしてから、

「ねえ、多津、おまいは多少おれよりは、その道に明るいらしいが、この方は作家志望で、東京へ出て来たいつていわれるんだよ。そういう娘さんはずいぶんいるんだろう。