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かいじんとしょうねんたんてい
怪人と少年探偵
江戸川 乱歩
「こども家の光」家の光協会、1960(昭和35)年9月~1961(昭和36)年9月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 36,648 字 · 74 页
山村君は、おもわず、こえをかけました。銀貨のやりとりをする、ばくちのようなことをやっているのではないかとおもったからです。
ところが、そばによって、よく見ますと、それは銀貨でないことがわかりました。少年探偵団の記章のBDバッジだったのです。三人のこどもが、みんな一つか二つずつ、BDバッジをもっているのです。山村君はびっくりしました。
「きみたち、それ、どうしてもっているの? だれかにもらったの?」
と、たずねますと、こどものひとりが、こたえました。
「ひろったんだよ。あっちのマンホールのそばにおちてたんだよ」
「ふうん、それみんな、そこにおちてたの? いくつあった?」
「六つだよ」
「ちょっと、見せてごらん」
山村君は、BDバッジをあつめて、うらをしらべました。バッジのうらには、針のさきで、持ち主の名がほってあるはずだからです。
四つのバッジには「いのうえ」と、ほってあり、二つのバッジには「ポケット」と、ほってありました。
「あっ、井上君とポケット小僧だっ」
これが地面に、ばらまいてあったからには、ふたりの身の上に、しんぱいなことが、おこっているのかもしれません。