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かいじんとしょうねんたんてい

怪人と少年探偵

江戸川 乱歩

「こども家の光」家の光協会、1960(昭和35)年9月~1961(昭和36)年9月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 36,648 字 · 74 页

青空文庫

「ぼくたちのうしろには、明智小五郎先生がついているんだ。小林団長がいるんだ、それから警視庁の中村警部が、おおぜいのおまわりさんをつれて、やってくるのだ」

井上君は、ほこらしげに、いうのでした。

「だが、どうして、れんらくするんだい。きみたちは、もう、おれのとりこになっているんじゃないか」

「ぼくたちには、いろいろな方法があるよ。きっとにげ出して、明智先生や小林団長に、れんらくしてみせるよ」

ポケット小僧も、まけないで、かんだかい声をたてました。

「はははは……、のんきなことをいっている。おれが、きみたちを、にがすとでも思っているのかい。にがすどころか、これから、きみたちに、おもしろいものを見せてやるよ。いや、おもしろいのではない。おそろしいものだ。きみたちは、かわいそうだが、うんと苦しまなければならない。じごうじとくと、あきらめるんだね」

人形の顔の怪人は、ニヤニヤわらいながら、きみのわるいことをいうのです。

「ふふん、おもしろくって、おそろしいものかい。はやく見せてもらいたいな。それはいったい、どこにあるんだい」

井上君が、やせがまんをはって、つよそうなことをいいました。