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かいじんとしょうねんたんてい
怪人と少年探偵
江戸川 乱歩
「こども家の光」家の光協会、1960(昭和35)年9月~1961(昭和36)年9月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 36,648 字 · 74 页
それから、井上君とポケット小僧を、助け出さなければなりません。この少年たちが、どこにかくされているかも、まだすこしもわからないのです。そこで、またしても、家さがしがはじまりました。いく組にもわかれて、あちこちのへやをさがすのです。明智探偵と、小林少年と、三人のおまわりさんが、懐中電燈をつけて、一階のへやからへやをまわっていました。
「あっ、なんだか、かすかな声がしましたね」小林少年が、すばやく、それを聞きつけて、明智探偵の顔を見ました。たしかに、聞こえます。かすかに、かすかに、
「助けてくれえ……、ぼくら、ここにいるんだよう……」
小林君は、なにを思ったのか、いきなり床に身をふせて、床板に耳をつけました。
その声は床の下からくるように感じられたからです。
「ぼく井上だよう……」
「ぼくポケット小僧だよう……」
「水の中にいるんだよう。死んじまうよう……」
ほそい声が、はっきりと聞こえました。
「先生、井上君と、ポケット小僧です。水ぜめにあっているらしいのです」
しかし、そこへ行く道がわかりません。
「この床板を破りましょうか」警官のひとりが、どなりました。
「いや、待ってください。