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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
08 一九四一年(昭和十六年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 230,599 字 · 458 页
そして、やはりその感じの当っていたこと、そんなにして小遣稼ぎをする子供らの生活が語っている実相がその真の向上の方向には向けられていなかったことがまざまざと分り、実に面白うございました。
一九二九年の五月はワルシャワでね、その朝の光景なんかいつか書きましたねえ。みんな目に見えるようで、従って、実に会得するところ大かったわけです。
それにつれて、あなたが(武麟評して大伽藍のような構成だと云った)文芸講演会のトピックの意味も、くりかえし思い出されました。何日かをぶっとおしに当てるという方法が一番有益ね。この間のは菊版で四百何十頁か。二日殆ど食べる間だけ休んでよみました。本をもっては国府津でよめたりしたらいいのにね。益※(二の字点、1-2-22)そんなことは実現おぼつかないことになります、切符の関係で。
甘やかすと為にならないのは天下の通則ながら、私は、しかし甘やかされすぎたということが、いつかあったのかしら。
動坂で、松林の模様のある襖のところで、やっぱりそういう意味のこと仰云ったことがあったわね。常に、甘やかすまいという戒心をもっていらっしゃるのね。