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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
08 一九四一年(昭和十六年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 230,599 字 · 458 页
ユリも二階で三十分ほどねむって、むっくりおきて、そのござは机の横にしいてあるから、これを書きはじめます。
お母さんはけさ三時十二分かで広島へお出かけ。二時におきてお見送りして五時半におきて店の戸をあけて、ユリは大ねむでしたが、きのうの夕方岩本のおばあさんが見えているので、やはり御馳走もしなければならず、店であきないもし、なかなかいいお内儀さんよ。
友ちゃんは二十八日広島へゆきましたが、昨夜電話で、赤ちゃんが熱をすこし出したと云って来たので、お母さんは心配やら達ちゃんに会いたいやらで、お出かけになったわけです。午前十時ごろ電話で、輝はケロリとしているが友ちゃんが疲れて下痢をして、いまおかゆをたいて貰っているところ、午後つれ立ってかえるとのことです。だからもうそろそろお湯をたかなければいけないというわけなの。
岩本のおばあさんは二三日保養していらっしゃるって。
さて、二十六日づけのお手紙、ありがとう。そちらのところがき、飛躍しているので笑いました。
達ちゃん経過は最良ですから自重するよう、お母さんもやたらに食べたり歩いたりさせないようにと友子さんにも注意していらっしゃいます、この前の分は二十一日に出ました、それだと修理部でした。