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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
08 一九四一年(昭和十六年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 230,599 字 · 458 页
寿江子がもっとちょくな人だといいのにね、毎日曜にどうせ平塚まで来るのですから、私は土曜からいて、日曜月曜ととまって二人で何かやってかえれるといいのだけれど。
こんなこと考えながら、これでおそらくもう今年は来ないでしょうね、来年になって来ればいい方ね。
又明日からは机へへばりつきです。休んだ元気で又せっせとやりましょう。
あなたの眼いかが? 本はいかがでしょう? 晴天つづきだったから、そちらも暖かかったでしょうと思います。こっちでは足袋なしよ。
こういう風にしていたりすると、一日のうち何度かふっふっと私のすきな組み合わせでの暮しを思います。そして、こんな風に思うのよ。よく一生懸命に仕事をしていい勉強をしておいて、そういう折は御褒美に、暫くは仕事のことなんかポイ御免蒙って、おそるべき牝鶏かみさんになって見たいものだと。クウコッコッコ、クウコッコッコとね。なんにもほかのことなんか考えたくないわ。それで御異存もなしという位に日頃からの心がけ専一に仕事をして置こうというのだからすごいでしょう? 太郎はこういう形容はごく感性的に、日本のゴと柔らかく発音しないで、su goi da ro と goi にはっきりアクセントつけていうのよ。