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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
08 一九四一年(昭和十六年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 230,599 字 · 458 页
なかなかでしょう? 頂門の一針的でしょう? 許さんは文章をいつもみて貰っていて、直して貰っていたのですが、それにつれてのことなのです。
私のさがしていた版画の紹介の文章はどうも見当りません。一つ、これかと思うのがあり。しかしスメドレーはケーテと友達だったのですね。一九三五年頃、上海で出版された画集にアグネスが序文をかいているのね。さぞいい本でしょうね。実にみたいと思いました。どうか私も、一生のうちには、そのひとの画集に心から序文のかきたいような婦人画家にめぐり会いたいものです。
光子さんなんか或るいい素質はあるのですが、旦那さんの技法、傾向と自分のものの成育との間の衝突で、どうにも苦しかったのです。ニューヨークで、どんな気持でどんなに暮しているのでしょうね。メトロポリタン[自注2]で本ものを見ているのはいいけれども。表の仕事手つだっている娘さんも又それとして珍しい位のひとですが、どの位までやってゆくか、このひとはやはり三十越してからが期待されるような資質です。ゆうべも、これでミューズが揃ったと大笑いしました。とにかく文学・音楽・絵画が一つ火鉢のまわりにあつまるのですもの、こわいでしょう※(疑問符感嘆符、1-8-77)