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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
08 一九四一年(昭和十六年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 230,599 字 · 458 页
対象の扱いかたで。(ああそうそう、広告はおやめ、おやめ!)題もひろい豊富な示唆にとんだものを見つけたいことね。小題はそれぞれふさわしいと思いますけれど。
二月四日。どうもいい題が思い浮びません。しきりとこねているのに。こんなのを不図思いついたのですがどうかしら。「波瀾ある星霜」――明治大正昭和の婦人の生活とその文学。という傍題をつけて。
きょうは中川一政へ表紙のことたのむ手紙をかきます。こういう本ですから表紙は柔かみのある白で、表紙の見かえしのところに何かこっくりした画があったら、しゃれているでしょうと思って。
ああこっちの方がいい。「波瀾ある世代」、ね。こっちの方が動いていて。星霜というのはやや古いし固定していて、人間が主でなくて時間が主になっていてよくありません。「波瀾ある世代」これはいいわ、きめていいでしょう?
三日のお手紙頂きました。三十日のはいよいよ不着です。どうしたのでしょう。そんなにあなたの手紙の好物なネズミってあるでしょうか。私は気にかかるのよ。もしそちらを出ていないのならそれでいいのですが。
おかぜいかがでしょう(これは五日の朝かいているところ)今朝の雪は貧相ね。