轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

どうひょう

道標

宮本 百合子

第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页

青空文庫

そこには、沖の一時的な愛人である蒙古の眉、蒙古の口元、蒙古の濃い黒髪をもったヨーコという女医がいた。ほかに七人ばかりの外務省の留学生たちがいた。重く太い編み下げを蒙古服の背にたらして、おとなしく台所の間を往復するヨーコの姉という、原始的な皮膚をした女のひとがいた。だらだらとつづいた食事やいくらか葡萄酒によった会話の、どこに本ものの愉快さがあったろう。みんなが自分を馬鹿者でないと思っていて、日本の官僚主義や退屈な社交生活を軽蔑して話しながら、自分たちのその話しぶりそのものが無気力であり退屈であることを知らない若い男たちに、伸子が、どんな男の魅惑を感じたというのだろう。土台、そういうきっかけから出ている話ではなかった。

伸子は、しばらくして、窓の方を向いたまま、テーブルのところにいる素子に云った。

「あなたは、自分のそういうものの感じかたをあんまり自認しすぎているわよ」

「…………」

「ぶこは、ひとりよがりで、自分は真実だから、おこりもすると思っているとしたら、違うことよ。ソヴェトへ来てまで、そんな何だか女同士の痴話喧嘩みたいなこと――わたしほんとに御免だから……」