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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁
さすがの怪盗も、まだ人どおりの多い店のひらいている時間には、どうすることもできなかったのでしょう。
じつは店をしめてからが、あぶないのです。店員たちは、支配人のめいれいで、そのばんは徹夜をして、金庫の前にがんばることになりました。ほんものの宝石類が、古新聞づつみとなって、物置部屋にほうりこんであることを、店員たちはすこしも知りませんから、ほんきになって金庫のばんをしたのです。
おもての戸を、すっかりしめて、ちんれつ台には、白いきれのおおいをかけ、電灯を半分くらいにへらしました。そして、店員たちは、店の中を歩きまわったり、金庫の前のいすにかけて、ぼそぼそと、小声で話をしたりしていました。
ひとりの店員が、ちんれつ台のあいだを、ぶらぶら歩いていますと、むこうのほうのガラス箱の、おおいのきれが、ヒラヒラと動いているのに気づきました。風もないのに、きれが、動くはずはありません。
「おや、へんだな。イヌが店の中へ、はいりこんだのじゃないかしら。」
と思って、たちどまって、じっと、そのほうをすかして見ましたが、イヌやネコではありません。もっとちがったものです。
「そこにかくれているのは、だれだっ。