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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁
かぎはかかっていないよ。」
男がどなりますと、ドアのとってが、グルッとまわって、スーッとひらきました。そして、そこからあらわれたのは、いがいにも、魔法博士の黄金怪人でした。
それを見ると、男はびっくりして、ベッドからとびおり、床の上に直立して、
「おはようございます。」
と、ていねいに、あいさつしました。魔法博士は、用事があれば、ベルでよびつけるばかりで、部下の部屋へ、はいってくることは、めったにないのです。それが、朝っぱらから、ドアをノックして、はいってきたのですから、部下が驚いたのも、むりはありません。寝まき姿で、直立したまま、おどおどして、黄金怪人の顔を、見つめています。
「むこうをむけ!」
怪人の歯車のような声が、命令しました。部下は、いわれるままに、うしろ向きになりました。
「両手を、うしろに出せ。」
部下は、両方の手を、そっとうしろへまわしました。
すると、黄金怪人が、どこからか、ほそびきのようなものを取りだして、パッと部下にとびかかり、うしろにまわした両手を、しばりあげてしまいました。
「あっ、なにをなさるんです?」
それを、半分もいわせないで、黄金怪人は、白い布をまるめたものを、部下の鼻と口にあてて、ぐっとおさえつけました。