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はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁

青空文庫

奇々怪々

ああ、どうしたらいいのでしょう。なんとかして、おとうさんを本気にさせることはできないでしょうか。

奇々怪々

ところが、それから二日めの朝になると、さすがのおとうさんも、とうとう、不二夫君の話を信じないではいられぬような、できごとがおこりました。

怪人から電話がかかってきたのです。おとうさんを、電話口に呼びだして、あの歯車のきしむようなぶきみな声で、不二夫君にいったのと同じことばを、くりかえしたのです。

「きみはいったい、だれだ? あんなものを盗んで、どうしようというのだ、売ろうとすれば、すぐにつかまってしまうぞ。」

「ウフフフ、おれは、金がほしいのじゃない。グーテンベルクの聖書そのものが、ほしいのだ。かならず、もらいにいくよ。」

やっぱり、不二夫君が想像したとおりでした。

「あれは、金庫の中にしまってある。わしのほかには、だれにも、あけられない金庫だ。魔法でもつかわなければ、盗みだせるものじゃない。」

「ところが、おれは、その魔法をつかうのだよ。ウフフフ……、まあ、せいぜい、用心するがいい。」

そして、電話は、プッツリきれてしまいました。

これで、不二夫君が見たのは、まぼろしでないことがわかりました。