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はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁

青空文庫

宝石を手にいれることよりも、うでまえを、見せびらかすのが目的だったように見えますね。そのあいては、明智小五郎だったのじゃありませんか。うらみかさなる明智のやつを、あっといわせて、どうだ、こんどは、おれが勝ったぞと、いいたかったのでは、ありませんか。」

部下がそうたずねますと、怪老人は深くうなずいて、

「むろんだよ。宝石もほしかったが、明智をやっつけるのが、第一の目的だった。あいつは、おれのしょうがいの、かたきだからね。」

「へえ、そうですかい。しかしね、首領、明智のほうでは、負けたとは思っていないかもしれませんぜ。首領は、うまく逃げだしたと思っていても、明智は、首領をつかまえたと、考えているかもしれませんぜ。」

部下の長野が、みょうなことをいい出しました。

「なんだって? 長野、きさま、どうしたんだ。へんなことをいうじゃないか。それはどういういみだ。もう一度、いってみろ。」

怪老人は、ぎょっとしたように、長野の顔を見つめました。

「なんどでもいいますよ。明智は、ちゃんと、首領を、つかまえているんです。」

「ワハハ……、ばかなことをいうな。おれはこうして、明智の手のとどかない、空の上にいるじゃないか。