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はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁

青空文庫

あのとき、だれも本のうしろなど、さがさなかったからね。黄金怪人は、煙のように消えうせてしまったとしか、考えられなかったのだよ。」

「蔵の電灯を、消したり、つけたりしたのは、にせのノロちゃんのほうだね。それから、電灯が消えているすきに、山下君のおとうさんの手から、聖書の桐の箱をうばいとったのも、にせのノロちゃんだったにちがいない。」

「そのとおり。だが、待ちたまえ。あのときの黄金怪人は、おとなになったり、子どもになったり、ネズミぐらいの小さな姿になったりしたね。あのときばかりじゃない。そのまえに、庭で山下少年の前にあらわれたときも、見ている前で、だんだん小さくなった。そして、ネズミぐらいになって、井戸側をのぼって、古井戸の中へ、かくれてしまった。あれは、どういうわけだね。」

おそろしい魔法博士の黄金怪人が、まるで、先生が生徒に質問するように、やさしいことばをつかっています。小林君の知恵に、感心してしまったかたちです。それに、いくら、かしこくても、この地下室からは逃げだせるものじゃないと、安心していたからです。この子どもはどのくらい知恵があるか、ためしてみようと、しているのです。