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まぶたのはは
長谷川伸傑作選 瞼の母
長谷川 伸
Read 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) by 長谷川 伸 (はせがわしん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 94,753 characters · 192 screens
苫屋 邪魔しねえで見ていろッてのだ。わかったかい。
磯目 構わねえで少しも早く仕事にかかろうぜ。素人共は変に三蔵をひいきにしやがるから、ことによるとあの野郎の耳に今夜のことが入っているかも知れねえ。ズラかられちゃ玉なしだ。
大野木 沓掛の、もう一遍いうぜ。首を挙げるのは俺達三人の役だ、お前の役じゃねえんだよ。わかったな。
時次郎 わからねえ。
苫屋 なんだと。
大野木 ここで喧嘩しちゃいけねえ。
時次郎 三蔵ッて人は強いのでござんすか。
磯目 何が強いものかい。多寡の知れた奴だ。
時次郎 成程、それじゃ俺の腕はいらねえ筈でござんす。
苫屋 ちえッ、三蔵の腕ッ節が強いからこうして三人撰り抜きで来ているのだい。手前なんかが行けば直ぐバッサリだ。
大野木 ちゃんと断っておくぜ。外で見張りをしているのだぜ。見張りで役不足ならさっさと帰ってくれ。いいかおい。(二人に)さ、踏ン込もう。
磯目 合ッ点だ。(三蔵の家の戸を叩く)
苫屋 (鼻をつまみ作り声をして)今晩は、ちょいとお開けなすって。名主さんから不時触れが出ましたので。――今晩は。(身構える)
大野木 (雨戸の開くのを待ち構えて、今にも躍り入ろうと身構える)