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まぶたのはは

長谷川伸傑作選 瞼の母

長谷川 伸

Read 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) by 長谷川 伸 (はせがわしん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 94,753 characters · 192 screens

Aozora Bunko

『瞼の母』大詰 荒川堤 異本(二)

『瞼の母』序幕、大詰共に 異本(三)

無えんだな。(素早く斬り仆し、血を拭い鞘に納め、母子の去れる方を振り返りかける)

朝の真赤な光が映す。忠太郎、その光に背いて踏み出し、佇む。

船頭歌、遠く聞える。

船頭歌 降ろが照ろうが、風吹くままよ、東行こうと、西、行こと。

忠太郎 (一たび去ったが、その絶叫が聞える)おッかさあン――。(駈け来たる)おッかさあン――おッかさあン――おッかさあン。(おはま母子のあとを追う)

幕

『瞼の母』大詰 荒川堤

異本(二)

異本(一)の幕切れに、忠太郎の絶叫、「おッかさあン」で駈け戻り、「おッかさあン」と一つ二つ続ける、そのあと――。

おはま・お登世 (呼ぶ声を聞きつけ、引返し来たる)

忠太郎 (母・妹の顔をじッと見る)

おはま (全くの低い声)忠太郎や。

お登世 (低い声で)兄さん。

忠太郎 (母と妹の方へ、虚無の心になって寄ってゆく)

おはま・お登世 (忠太郎に寄ってゆく)

双方、手を執り合うその以前に。

幕

『瞼の母』序幕、大詰共に

異本(三)

昭和二十六年六月、新国劇の明治座興行のとき、序幕の瓦屋の場を祭の日とし、水熊横丁と荒川堤に、鳥羽田要助を多分に出し、又鳥羽田の同類数名を出したるものに、書き更めたるが(百二枚)純粋さを失ないし感あるによってこれを破り棄てることにした。