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まぶたのはは

長谷川伸傑作選 瞼の母

長谷川 伸

Read 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) by 長谷川 伸 (はせがわしん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 94,753 characters · 192 screens

Aozora Bunko

第二場 おはまの居間

成ろう事ならお婆さん、糊売りでもして暮してくれろ。死んだ息子が安心するぜ。

おとら はい。

忠太郎 あばよ。(行きかける)

おとら はい。(振り返って頭を下げて去る)

忠太郎 (おとらを見送り、水熊を振り向く。会ってみようか、いや止めておけ、まだ不確かだと思い、知らず知らず歩く)

藤八  (孫助と出入口を開けて、窺く。共に忠太郎に好意を持っていない)

忠太郎 (もしや、母の家かと思い、振り返り、偶然二人を見る)

藤八等 (舌打ちなどして引込む)

忠太郎 (それをケントクなりとして、尋ねてみる気で引返す)

三吉  (およつと話しながら、参詣から帰ってくる)

忠太郎 (芸者二人に振り返ってみられ、出鼻を挫かれ、立去りかける)

第二場 おはまの居間

水熊女主人の部屋。

右手は中庭、左手は廊下、部屋は明るく派手である。

女将おはま(五十二歳なれど若く見える)長火鉢に倚って煙草をのんでいる。

おはまの娘お登世(十八、九歳)化粧がすみ、着物を着換えている。中年増の女中おふみが小間使おせう(十四、五歳)をつかって、いろいろ世話をやいている。

おふみ (惚れぼれと見あげ)ああいい。なんてよくウツるんだろう。