Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
まぶたのはは
長谷川伸傑作選 瞼の母
長谷川 伸
Read 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) by 長谷川 伸 (はせがわしん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 94,753 characters · 192 screens
第二場 政吉の家
(ガクリ俛首れる)
政吉 さあ、行け。(引き起し)行かねえか。(突き飛ばす)
おさん あれ。(よろよろとなる)
政吉 (憎悪に燃えて、今にも殺すかと見える)
第二場 政吉の家
内側から入口の方に向って見た、政吉が男一人の借家、午後、次第に日が暮れる。
神棚に白紙が貼ってあるのは、最後の肉親者が死んで一年以内を暗示するもの。
家の中は政吉の潔癖を語っている。壁に政吉の着換えが吊しかけてある。
土間にはよき、釘箱、金槌、背板その他がある。
一方は庭という程でもないが竹垣で仕切り、秋草と少しの木が植えてある。
一方は空家、大分、荒んでいる。入口の雨戸が開いていて、その前に人家はない。
物売りの声が聞える。
空家の中に夫婦者が来ている。亭主は女房に相談をかける、女房は「この家ではご免だ」という手真似をして、入口の戸を閉めずに共に出て行く。
表通りを車力が通る。「ほうてえ、ほい。ほい。ほうてえ、ほい」と聞える。
空家の前を悲しげなおさんと、沈痛な政吉とが通る。
おさん (政吉の家の戸が開いて、突き飛ばされて入る)
政吉 (入口を閉め、おさんを睨み、上へあがらせ、土間の片隅を探し、杣屋のつかう古いよきが手に触れるので、土間へ抛り出し、釘箱と金槌を持って、入口の戸を釘づけにする)