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まぶたのはは
長谷川伸傑作選 瞼の母
長谷川 伸
Read 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) by 長谷川 伸 (はせがわしん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 94,753 characters · 192 screens
第五場 三たび三蔵の家
やい、やい何をしやがる。(三人を追って家へ入る)
三蔵 (よろめきつつ起ち、家へ向う)
第五場 三たび三蔵の家
太郎吉を庇いつつおきぬは、三人の白刃を抜け潜っている。
時次郎 (割って入る)やいやい女子供に何をしやがる。そんな法ッつてのがあるかい。
磯目 手前の知ったことじゃねえ。退けッ。
苫屋 退けッたら、退け。
大野木 沓掛の、邪魔しちゃいけねえや。
時次郎 だれが何といったって退くものか。女房子供を斬ってどうするんでえ。ばくち打ちは渡世柄付いて廻る命の取りやり、こいつは渡世に足を踏込んだ時からの約束事だ。が、女房子供は別ッこだ。いけねえ、いけねえ。斬らせるもんけえ。
苫屋 邪魔すると敵と見做すぞ。
磯目 そうだとも、敵と見做して斬るぞ。
時次郎 冗談だろう、斬られてたまるか。
三蔵 (よろめきつつ入口の破れより入り来たる)
大野木 沓掛の、お前の相手が乗り込んできたぞ。(時次郎が振向く隙に)それッ。
苫屋 (おきぬに向う)
磯目 (太郎吉を追い廻す)
太郎吉 いやだあ。いやだあ。(逃げ廻り)おっかちゃん。おっかちゃん。
おきぬ (必死と有り合う物を投げつけ)何をしやがるんだ。