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まぶたのはは
長谷川伸傑作選 瞼の母
長谷川 伸
Read 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) by 長谷川 伸 (はせがわしん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 94,753 characters · 192 screens
喧嘩じゃねえ、もう少し理窟のついてることだ。
七五郎 去年の二十三夜の晩に笹川の繁造が殺された、その仕返しだといやあがって飯岡の親分が、旭の町からの帰りがけに斬ってかかりやがったのは、半次、手前と旅にんの番場の忠太郎の野郎じゃねえか。
喜八 二人ともやにッこい腕前だから、親分は僅な掠り傷、友蔵、金四郎は死んだが、あとの三人はピンピンしてらあ。その敵討ちの役を買って出て来た俺達二人だ。半公、さあこっちへ出てこい。
七五郎 愚図愚図するとそこへ飛び込み、婆も娘も一緒くたに叩ッ斬るぞ。
半次郎 (母子に)聞く通りあいつ等が、とても刀を鞘へ納めッこねえ。命をとるかとられるか、そうする外に途がねえんだ。やい。手前達も男なら、お袋や妹には何もするなよ。
喜八 自裂ッたくならねえ内は大丈夫請合っとくから、今の内に討たれに出て来い。
半次郎 行くとも、俺も男だ。(母子を振り払って前へ進む)
おむら (おぬいと共に、泣きつつ、相倚り相抱いて、母屋の軒下にありて、身を悶える)
忠太郎 喜八、七五郎、此方を向けッ。
七五郎 何だと。(振り向く)やッ忠太だな。
半次郎 おお哥児か。
おむら (おぬいと共に驚きながら一縷の望みを得て喜ぶ)