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まぶたのはは
長谷川伸傑作選 瞼の母
長谷川 伸
Read 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) by 長谷川 伸 (はせがわしん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 94,753 characters · 192 screens
俺はけちな、奴でも、真向に戴いてる御用の二字は金箔捺しで光ってるんだぜ。それはそうと政、もし何か思案に余ることでも出来たらやって来い。俺のことあお前の仲好しの金公がよく知ってる。親類になった気で、屹と、為をはかってやるからなあ。
政吉 へえ、そうでございますか。まずそんな用はありそうもねえ。左様なら。
文太郎 それだったら天下泰平、世話なしでいいなあ。(去る)
政吉 厭な野郎だなあ。御用風を吹かせやがって、あくの強え縛り屋だ。ペッ。ペッ。あいつは何処の馬の骨だ。
金造 この間二軒茶屋の前で、佃の者と喧嘩して、相手に疵をつけた時、俺を庇ってくれたのはあの人だよ。
政吉 亀久橋の文太郎ってあの男か。お前に聞いた時あ、たいした立役だったが今のザマじゃあんまりそうでも無えや。好かねえ野郎だ。
藤助 政ちゃんお前今の人に、何か怨みを買ってるんじゃねえか。
政吉 心当りは皆目ねえが、そんな気ぶりが見えたのか。
藤助 云っちゃならねえといったんだが。
三次郎 よさねえか。くだらねえことを。
政吉 そう聞くと気にかかる、話の善悪は構わねえ、聞かせてくれ。
藤助 じゃ云うが。