Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
まぶたのはは
長谷川伸傑作選 瞼の母
長谷川 伸
Read 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) by 長谷川 伸 (はせがわしん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 94,753 characters · 192 screens
(と云いかけて素盲の金五郎を見かけ、厭な顔で頭を下げる)
魚北 (金五郎に心づき、厭な顔になり頭だけ下げて、熊と共に急ぎ去る)
無頼漢、素盲の金五郎。少し酔っている。水熊の板前善三郎が、迷惑そうに蹤いている。
金五郎 (八ツ当りをして)ボテ振り待て。
善三郎 よしてくんな。罪もねえ者の商売を妨げしちゃいけねえよ。
金五郎 癪に障る奴等だ。善公。
善三郎 え。(厭な顔を隠す)
金五郎 本当におかみさん、居ねえのか。
善三郎 居ねえよ、俺が嘘をつくものかな。だが金五郎さん。今のような話はやめてくれねえと俺が困る。
金五郎 心配するな、俺が水熊の婿になったら、お前にや給金の外にたンまり賦をやるから。
善三郎 それがいけねえんだ。第一、いくら何でも、そんな話がおかみさんに出来るものかな。
金五郎 後家を立ててる女のところへ、俺が婿にはいろうというのに不思議はねえ。
善三郎 考えても見ねえな、金五郎さんはまだ三十を幾つも出やしねえ、家のおかみさんは年よりも十も十五も若く見えたところで五十を越しているんだ。
金五郎 年なんざどうでもいい。俺あここの家が――色恋に年があるもんか。
善三郎 この話はまたとして、今日はこれで左様ならだ。