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まぶたのはは
長谷川伸傑作選 瞼の母
長谷川 伸
Read 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) by 長谷川 伸 (はせがわしん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 94,753 characters · 192 screens
ねえおかみさん、左様じゃありませんか。
おはま (嬉しそうに)うふふふふ。
おせう (片付け物を忘れ見惚れている)
おふみ 本当に、あたしが男だったら打抛っときやしませんよ。
お登世 やあだ。おふみじゃあたいが可哀そうでしょう。ねえおッかさん。
おはま まあね。うふふふふふ。
おせう あたしじゃいけません。
お登世 お前になら八百屋の小僧が恰度だねえおふみ。
おふみ ええ。それだって職過ぎます。
おせう (鏡に顔を写して見る気になり、急にはッとして廊下の方を向く)あら喧嘩だわ。
おふみ 何をいってるのさ。喧嘩をどこでしてるのさ。脅かしちゃ厭だよ。
おはま こりゃおせうの耳の方が確かだった。どこかで喧嘩してるね。
お登世 どこで。
おふみ あ、本当でしたねえ。おや家じゃありませんか。
おせう 見て来ましょうか。
おはま 打抛っておおき。大所帯を張ってると内輪同士の争いは珍しかない、一々気にとめていられるものかね。それよりかお登世。早く顔を出しといで。水熊のご馳走は一にお登世、二に料理と人様が仰有るくらいだ。早く顔を出しといで。
おふみ まだありますよ、おかみさん。
おせう あたし知ってる。