Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
まぶたのはは
長谷川伸傑作選 瞼の母
長谷川 伸
Read 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) by 長谷川 伸 (はせがわしん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 94,753 characters · 192 screens
忠太郎 (気配で察し、鳥羽田が斬り込むのを躱し、金五郎が斬り込むのも躱し、立木を楯にとる)
金五郎 (芒むらに伏し、隙を狙う)
忠太郎 だれだ。(答えがない)何者だ。(答えがない)一人はブ職らしい、一人は浪人さんでござんすね。お前さん方あどなただ。何の訳あって不意討ちに、白刃を鼻ッ先で光らすのでござんす。
金五郎 (答えず、労せずして討たんと隙を伺う)
鳥羽田 (無言。ただ一と討ちと迫り来たる)
忠太郎 (下総からの刺客か、いや違う。物盗りだなと見る)あッしがだれだか、知ってるんでござんすね。
金五郎 知ってるともよ。
鳥羽田 番場の忠太郎という肚の悪い奴だ。
忠太郎 お前さん方はだれだ、どこの人だ。下総から来たのか。それ共、江戸か。(両人とも答えぬ)ご返事はこざんせんか――無いな――無いな。斬るぞ。
鳥羽田 (冷笑して)えいッ。(斬ってかかる)
忠太郎 (鳥羽田を斬り仆す)
金五郎 (狡猾に芒むらに潜んで刀を避け隙を伺って刺さんと企てる)
忠太郎 (金五郎を探す、逃げ失せたと思い、血刀を水溜で洗いかける)
空駕籠が二梃、善三郎が付いて、黙々として帰って行く。鳥羽田の仆れているのは芒むらに遮ぎられて眼に入らぬ。