Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
何事かと思ったら、昨晩、Kというクラスの色男が、恋人らしい女と一緒に銀座を歩いていたというのだ。それで、その色男が教室へはいって来たら、たちまち、ぎゃあぎゃあの騒ぎになったのである。あさましいというより他は無い。ひねこびた色気の、はきだめという感じである。みんなに野次られて顔を赤くしながらも、それでもまんざらでもなさそうに、にやにやしているKもKだが、それを、やあやあと言って野次っている学生は、いったい、何のつもりなんだろう。わけがわからない。不潔だ! 卑劣だ。ばかな騒ぎを、離れて見ているうちに、激しい憤怒が湧いて来た。赦せないような気がして来た。もう、こんな奴等とは、口もきくまいと思った。仲間はずれでも、よろしい。こんな仲間にはいって、無理にくだらなくなる必要はない。ああ、ロマンチックな学生諸君! 青春は、たのしいものらしいねえ。馬鹿野郎。君等は、なんのために生きているのか。君等の理想は、なんですか。なるたけ、あたり触りの無いように、ほどよく遊んでいい気持になって、つつがなく大学を卒業し、背広を新調して会社につとめ、可愛いお嫁さんをもらって月給のあがるのをたのしみにして、一生平和に暮すつもりで居るんでしょうが、お生憎さま、そうは行かないかも知れませんよ。