Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
ただ、無心にきょろきょろしている。二十人くらいになった頃、れいの番頭さんが出て来て、「どうもお待ちどおさまでした。お名前をお呼び致しますから。」と静かな口調で言って、五人の名前を呼んで、「どうぞこちらへ。」と別室へ案内して行った。僕の名は呼ばれなかった。あとは、また、しんとなって、僕は立ち上り、廊下に出て、庭を眺めた。料理屋か、旅館の感じである。庭もなかなか広い。かすかに電車の音が聞える。じりじり暑い。三十分くらい待たされて、こんど呼ばれた名前の中には、僕の名もはいっていた。れいの番頭さんに引率されて僕たち五人は薄暗い廊下を二曲りもして、風通しのよい洋室に案内された。
「やあ、いらっしゃい。」背広を着たとても美しい顔の青年が、あいそよく僕たちを迎えた。「筆記試験をさせていただきます。」
僕たちは中央の大きいテエブルのまわりに坐って、その美しい青年から原稿用紙を三枚ずつ貰い、筆記にとりかかった。何を書いてもいい、というのである。感想でも、日記でも、詩でも、なんでもいい、但し、多少でも春秋座と関係のある事を書いて下さい、ハイネの恋愛詩などを、いまふっと思い出してそのまんまお書きになっては困ります、時間は三十分、原稿用紙一枚以上二枚以内でまとめて下さい、という事であった。