Japanische Klassiker mit Furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme
うたかたのあとなきものを人の世になに求めてか生きんとすらむ
もしほぐさ昔の人を忍ぶにもしのぶにあまるこゝちこそすれ」
節子はこれを小さな手帳の中に書きつけて来て岸本の許に置いて行った。彼女は唯岸本に見せるためにのみこういう歌をつくって来た。岸本がこれを手にしたのは、あの旧の新橋停車場から遠い旅に上った三月の二十五日という日も近づいて来た頃であった。間もなく節子は谷中の方から次のような手紙をも送ってよこした。
「先日はおいそがしいところを失礼いたしました。もう御仕事もお済みに成りましたか。先日は未だかと思いましたので御伺い致すのをやめにしようかと考えましたり、持って参りました歌も御仕事が未だでしたら御目に掛けないで持って帰ろうかとぞんじておりましたのに、御邪魔に成るようなことはなかったかしらと心配してしまいましたのよ。もしそうでしたら御免なさい。これからもそういうような場合もございましたら、そう仰ってさえ下されば、どんな我慢も致しましょう……最早二十五日も近くなって参りましたね。何という大きな相違でございましょう。汽車のひびきの聞えなくなってしまってからも、何時までも同じところに立ちつくしたあの時のことを思いますと、夢のような心持も致します……わたしどもは幸福でございますね。