Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんせい

新生

島崎 藤村

Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme

Aozora Bunko

七十八

「でも、よくこんなに見つかったものですね」と節子が言った。

「矢張、苦しんだ揚句だから見つかったんだね。さもなかったら、こんな不思議なところへは出て来なかったかも知れない」

その時ほど岸本は節子と二人ぎりでのびのびと屋外の空気を呼吸したり青空を楽んだりするような位置に自分を見出したことは無かった。節子はまた、仮令僅の時でもそれを自分等二人のものとして並び腰掛けながら送ることを楽みに思うという風であった。

「そうそうお前に聞いて見ようと思うことがあった」と岸本は言った。「お前からくれた手紙の中に――ほら、何もかも話せる時が来たなんて――お前は俺に書いてよこしたことが有ったろう。こんなに早くその時が来ようとは思わなかった、すくなくも二三年は待たなければ成らないかと思ったなんて――もしあの時、俺が結婚したら、お前はどうするつもりだったのかね。俺は自分でも結婚するつもりだったし、お前にも結婚を勧めるつもりだった。そのつもりで旅から帰って来た。もし俺が結婚したら――それでもお前は待ってるつもりだったのかい」

「ですから、低気圧が起って来たんじゃ有りませんか」

と節子はすこし顔を紅めながら答えた。