Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 81.739 Zeichen · 164 Bildschirme
〔七月の感想〕
ありのままでよいのだ。そのままに口をきき、そのままに笑えば好いのだ。何もこんなにかたくまでならずと若さの力は私共をよくかざってくれるものなのだ。又そこいら中に水が出たと云う。
今日『中央公論』を買って来てかざる。最後のところに出て居る自分の名と作品の題とが、すべてよその人のものの様に思われる。さほどうれしくもない様な気がする。けれどもうれしくないのではない。或る一つの力が私のうれしさをどこかで押えつけて居る。
〔七月の感想〕
四月に学校を卒業したと云うことはたしかに一般的に女達――私共位の女にとって意味のある月だったのだろう。けれども私は送り出されるままに学校を出た。さほどのうれしさもよろこばしさも感じはしなかった。けれども今度私の処女作が『中央公論』に出るときまったと云うことは私の生涯のうちで最も意味のあることである。私のほんとの生活はこれから始まろうとして居る。私の光輝ある生活は、私をそしり、あなどり、或意味に於ては自分達の仲間として共にしなかった愚かな者共の前に始められようとして居のだ、私の戦は始まろうとして居る。私は勇気に満たされて居る。私の鼓動よ! たしかにつよくなれ! 私の頭よ! 強く勇ましく、かしこく働いてくれ。