Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 81.739 Zeichen · 164 Bildschirme
三月十日
三月十一日
三月十日(金曜)
英男へ葉書をかく。
頭の裡が不透明でイライラしてたまらなかった。絵なんか少し風の変ったのを書くとすぐ何とかかんとか変な目をして見るものの顔を見るとおだやかな感じなどはどうしても持てない様な気持になって来る。陰鬱になって淋しくて仕様がなかった。
夜英語を少しさらうとじきおそくなってしまった。謝辞がなかなかかけないでたまらなくなってしまった。月曜に小此木先生は随分辛いけれ共しかたがない。
三月十一日(土曜)
雪が降った。春になったと云う事などは思われない程すべての様子が荒々しくなって吹雪と呼んでよい程ひどい有様であった。
音楽、体操の試験があった。来週中せわしい思いをしなければならない事を思うといやになる。国語の時、「適当な自殺が許されない限り生きなければならないために□をするのである」と云う事を仰っしゃった。適当な自殺を許されない限りは――実にそうである。
自殺者を救け様とする事はよいことかもしれないけれ共実際に於て生存に堪えないものを一度一時的に救助したからと云って終生の幸福を計ってやることは出来ないのだから救わない方がよいのである。