Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 81.739 Zeichen · 164 Bildschirme
十月三日
どうかして「彼方に遠く」を書き出したいが出が生れない。聖マリアへ来る人も皆大抵は大人になったように、一面から云えば、しきりに飾りたてたがって居る人達ばかりなので、私はここでも又異分子めいた感じを人もうけ、自分も与えられる。あんなに円く座って髪をなおしこをする心持になりたいものだと思う。このごろ着て居る紺無地のネルは大変落付いた感じを与えて好い着物だ。
十月三日(火曜)
十一時前までに平河町まで行けなかったので、ボイドの作文はやすむ。一寸も雨は小降りにならない。かえりに須田町あたりまで来ると、もうすてきに降って来てまるで暑いさかりの夕立のようである。こう云うときに、女がとくに困ったらしい。その雨になやめる風情を美くしく見せようとするがそれは、強く生活の出来ない弱点だ。ちゃんちゃん、袂をはさむなり何なり甲斐甲斐しくあった方がすべてそのときの情景と調和するものである。母上の様な方でさえ夫に対しては気分の悪いとか、疲れて居るとか云うことを幾分誇張して見せるかたむきがある。そこが女の美のあるところではあろうが、Cranford をよみ、「彼方に遠く」を書き出そうとして居るが、どうも最初の書き出しがうまく行きそうもない。