Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 81.739 Zeichen · 164 Bildschirme
九月三十日
頭をかつらの様に結って茶色のリボンをズーッと巻きつけて、古びた着物をつけ、どう見ても大阪あたりの女優のような人が居た。
九月三十日(土曜)
「アンナ・カレニナ」が今日限りなので、どうにかして見たいと思い急に出かける。原作でよんで居たので、どうせああは行かないことを承知して、久米さんではないが、どのくらいまでこぎつけて居るかと云うのを見に行ったようなものだ。小川未明氏やその他の人々が見えた。寺戸氏に会う。すっかり大人みたいでおかしかった。品川の何とか云う人に会った。大変可愛らしいと云っていい心持の失われずにある人だ。すま子のアンナはままほかの女よりは好いのは勿論だけれども、どうしてもとにかく、ロシアの上流の婦人とは見えずまだしぐさも、音調も平坦だと云うことをまぬがれない。カレニンも、私の解して居たような男ではなかった。そのほかの女と来たらもうお話にも何もなったものではない。私に輪をかけたようなちびで太ったのが、洋装で出て来るのだから、とうてい見られたものではなかった。背景でもなんでもみんな貧弱で、ほんとうに理解して居る人も又少なかったようだった。読むもので、見るものではないとつくづく思った。