Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 81.739 Zeichen · 164 Bildschirme
八月十三日
母上、夜父上とどこかへ御いでなさる。瀧田氏の方は前よりは大変よくなったが、句々の上に不満の点もあるが、それをなおすと特徴がなくなるから、そのままにしてもよいかと思うが、あした八時頃電話をかけると云うこと、毎日毎日のびて居るのであしたの正午頃どうしても行こうと思って急に荷物をつめたりする。独りでせかせかして居ると、吉田□子氏から電話で写真を見せて――かしてくれと云ってよこす。封筒に入れてあて名を書いて置く。何だか天気が悪い。あしたは雨になりそうだ。
八月十三日(日曜)
雨は降らなかったけれども天気はあつ苦しく工合が悪かった。本田の道ちゃんが送ってくれる。家を出るとき、久米氏来訪「今度貴女の小説が、中央公論へのるってどうもほんとうにありがとう」と祝ってくれる。暑いときの三等の長旅はかなり辛い。白河頃になると、上野からつづけてのって居るのは、国、道、私丈になってもう周囲はすべて東北の寒さにいじけた者ばかりである。薄暗い灯かげに影を大きくゆらしながら、運ばれて行くと、旅情と云うもの、旅のはかない情なさが、しみじみと胸にこたえた。右の手がなくて左の手で右の手通りの癖をする男と、法科の学生で讚美歌ばかり歌って居た男の印象があざやかである。