Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 81.739 Zeichen · 164 Bildschirme

Aozora Bunko

八月十四日

八月十五日

八月十四日(月曜)

非常に早く起きた。まだ露のあるなかを一郎を訪ねる。鳥の小屋の裏を廻って行くと、畑でしきりに何かして居る禿頭が見える。草花のかげにかくれて立って居る私共を見つけると、非常によろこんだ。種々話の末天竺ぼたんが一本一銭で今日は九銭小遣があると云う。母上からの二円を遣る。かえりにふり返って見たら包みをあけてうれし笑いをして居た。可哀そうに、あの男もあんなうすれ女房を大切に守って居るばっかりで、息子のところへもかかれず、貧乏な情ない生活をして居る。もう田舎らしいのびのびした心持が体中にあふれて来る。池の周囲に夕方行って見たり、馬を洗うのを見たり、する。夜は、久振りで三人並んで床につく暖いしずかな心持であった。田舎、祖母及びその他の人々が今までと異って見えて来た。

八月十五日(火曜)

夜町の活動へ行く。売店に居る女で、非常に私の注意を引いた。大変にうすでな体をして、黒地の着物に白地の帯が大変ここいらにはめずらしく、いかにも妾風な女であった。いやに太った芸者や雛妓が多勢来て、「そーけえ」なんかと云いながら煙草を吸ったりキャラメルをなめたりして居た。