Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 81.739 Zeichen · 164 Bildschirme
八月二十四日
八月二十五日
今日急に東京へ帰る。十一時四十八分の急行だったので、少し空いて居たので行ほど苦しいことはなかった。横須賀の海軍病院の兵が居て、傍のきたならしい子に面白そうにふざけて居るのを見たら妙に、淋しい心持になってしまった。汽車のなかでよむようにと思って、幹彦さんの、『舞扇』を買いに、万嶽堂によると、『女の世界』に自分のことが出て居ると、店の小僧が冷評するように云う。王子あたりに来ると、ほんとうに東京についたと云う愉快な心持になった。ステーションの雑沓も却って、心持がよく、風呂場に被居っしゃる母様の顔を見たときの嬉しい安心した心持は口に云えなかった。私の敷布団が新しく出来て居たのがたまらなく家らしい心持を起させた。
八月二十五日(金曜)
今日急に間宮が脚気だと云って暇をとり、九時五十分発の汽車でかえることになると同時に「こう」も亦友達を送って来ると云って出て行った。夜十時になっても彼女はかえって来ぬ。とうとう二人は馳落ちをしたことと分ったのである。夜母上は小田原へ電話を御かけなさると夜十時頃こうは家へ一度かえってから又どこかへ行ってしまったことが分る。私は、あんまり静かに馳落ちと云うことが出来たに喫驚したと共に、互に弄び合って居る心持をしみじみと彼等の上に深めた。