Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 81.739 Zeichen · 164 Bildschirme
〔三月の感想〕
〔三月中の重要なる出来事〕
春と云ってもどことなく薄ら寒いので風を切って運ばれて行くとたまらなく気持がよかった。行きに中村屋によったら黒光女史らしい白い丸顔の目のきれいな人が居た。広子がませて何だか可愛気がうすくなった様に思える。
〔三月の感想〕
三月が過ぎて仕舞った。
私は如何程の感じを持ってこの一句を書く事であろう。日が暖く頸元をてらす様になった。
花が咲き出した。
けれ共この一月の間にどれ程のものが出来たかと云う事はその事を考えた丈で苦しくなる。
けれ共「貧しき人々の群」を出来した事だけはよろこべる。精神上肉体上に春の圧迫が強くて堪らない様である。頭の中が始終とがとがして居る様でいやである。
早く秋がまたれる。
けれ共秋が来ると又一つ年をとるのが近いと思うのもいやである。二十になるまでに少しの事はして置かれなければたまらない。
まだ三年の先がある事はうれしい。春は御身の能う限り美しくあれ。
〔三月中の重要なる出来事〕
八日 英男母上京都出発
十二日 父上母上英男帰京(英男にとりては最初の旅行なりき)
十八日 「貧しき人々の群」脱稿
二十二日 女子大学願書呈出
二十六日 御親署勅語拝覧